(3)引込線工事 (2012年09月04日)
午後1時半工事車両が2台で到着。1台は作業効率を上げるため家の脇まで入りました。これにより、受電点の作業をすべて作業台に載って行うことができます。
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まずはじめにDV線を受けるためのアングル金具を取り付けます。
厚い鉄板を折り曲げて作った頑丈そうな金具を棟木と破風板に太いビスで固定した後、太い針金で先端と母屋に付けた金具を結び、DV線の張力に耐えるようにしました。
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次は受電点から電力量計までをつなぐSVケーブルを保護するための合成樹脂管を取り付けます。合成樹脂管はサドルで固定しますが、サドルを固定するビスはサイディングの鉄板に固定できるタイプのようです。
「下地はあるのですか?」と聞いたら、下地を探していると時間がかかるので、鉄板に取り付けるだけで大丈夫になっているとのことでした。
(右は引込線工事を専門に行っている会社の社長で、左はその従業員です。この市ではこの会社だけが東北電力の引込線工事を行っているそうです。)
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電力量計から来たSVケーブルと、これから電柱に配線するDV線を結線しています。単相3線の各線をペアにしてビニールテープを巻きつけ、電線の先端をカッターで皮をむき、かしめ金具で結合した後、被覆(キャップのようなもの)をかぶせていました。
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下の方では従業員が電力量計への結線を行いました。
2次側は意図的にまだつないでいません。
手前に垂れ下がっているのはDV線です。DV線は3本の線をよりあわせたかたちになっています。
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その後従業員がもう1台の作業車に載り、受電点に付けたDVケーブルを電柱まで引き上げました。
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電柱の単相3線とDVケーブルを結線しているところです。
社長に聞いたところ、需要家に迷惑をかけられないので、作業はすべて活線(電流が流れた状態)のまま行うそうです。
当然、安全を確保したやり方とのことですが、詳細は聞けませんでした。
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作業完了し、引込線が繋がった状態です。
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従業員が電柱で作業している間、社長は分電盤にメインブレーカーを取り付けていました。
電力量計から分電盤までのSVケーブルを扱った時の経験から「太い線で作業しづらいですね」と声をかけたら、こんな線は扱う中では一番細い線とのこと。太い場合は、線1本がこのSVケーブル(SV8-3C)全体くらいあるとのことで恐れ入りました。
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分電盤の結線が終わった後、社長は電力量計の1次の電圧を確認後、2次側の結線をしました。手袋もはめないで素手での作業です。
危なくありませんかと聞いたら、大丈夫とのこと。ただ気のゆるみがあると感電することもあるそうです。
これですべての引込線作業が終わりました。
その後、絶縁抵抗試験、接地抵抗試験、通電試験をやってもらいました。測定器があれば自分でもできるのですが頼んだ方が安いし、プロに見てもらった方が安心です。費用は5,250円でしたが、時間はわずか10分くらい。接地抵抗試験は電気工事士試験では測定のために接地極2つを地面に埋めてやるように教わりましたが、テスターで電極と、接地極の間を測るだけでした。
あっけない試験でしたが、結果は全く問題なしとのことで安心しました。作業報告書には、施工電気工事士として私の署名と捺印を求められました。
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工事終了後、電灯、換気扇とスイッチの動作を確認しましたが、すべて設計どおりでした。右写真は洋室の天井灯です。
2日後に東北電力が検査に来るまでは本格的に使用してはいけないと言われましたが、電気掃除機で全部屋を掃除し、今までの工事のごみ、特に石膏ボードやパテの粉末を始末し、家全体がすっきりしました。
なお、引込線工事の費用は、試験費用(5,250円)と申請費用(10,500円)を含めて63、000円でした(2つを差し引くと47,250円)。
見積もり時点で交渉すべきでしたが、引込線業者は電力会社からも作業費用をもらっているので、作業内容を見たあとで考えると需要家負担部分の費用としては高い気がします。
しかし、雨の中の作業と社長の人柄で良しとしました(独占企業には強く当たれませんし)。
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