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屋根仕上工事

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● 概要

 屋根ふきは再検討の結果、DIYで行うことにしました。
 施工の容易なガルバリウム鋼板製のユニット(製品名:efルーフ)がネット通販で買えることがわかったからです。この製品は裏にノンフロン硬質ウレタンフォームが9o吹き付けてあるため、断熱・遮音性能もよいようです。
 これに換気棟(製品名:コンポ換気棟(化粧スレート用))を組み合わせて、外壁の下からの吸気を自然気流で、軒下、小屋裏を経由して換気棟から排気する外壁通気工法を実現します。これにより、壁や小屋裏の湿気防止、熱の放散、空気層による断熱効果が期待されます。

 作業は以下のように行います。
(1)下地処理(続き)
 ・野地板の妻側端部(けらば部)に受け桟を取り付けます。
  (軒角はけらば勝ちの施工にします。最初こうしなかったためトラブル
   になりました。)

 ・アスファルトルーフィングをまず軒先に張り、上に10p(左右は20p)
  重ねながら張り上げます。

(2)板金金物を取り付けます。
 ・軒先に「軒先唐草」を取り付けます。
 ・けらばに「通しけらば」を取り付けます。
 ・換気棟取り付け位置に水切り板金を取り付けます。

(3)屋根材の取付
 ・efルーフの働き幅に合わせて墨出しを行います。
  (一列おきに墨出ししましたが必要ありませんでした。屋根板をはめ込
   むだけできれいに納まりました。)

 ・efルーフ屋根ユニットを左下から右上へ順に張り上げます。

(4)棟の取付
 ・換気棟の水切り板金と屋根ユニットの取り合いにシーリングを施します。
 ・換気棟をかぶせます。
 ・まず換気棟の上に笠木を載せビス止めします。その後、残りの棟も笠木を
  載せてビス止めします。
 ・棟包みをかぶせ笠木にビス止めします。換気棟の左右の段差は加工して
  納め、シーリングします。

● 屋根葺き施工概念図
メーカーの施工説明情報がわかりにくいため、自分で書いてみました。
 このメーカーの情報提供は良い方だと思います(それで採用しました)。しかし、もっとわかりやすい情報を提供すれば販売促進につながるし、無駄なサポート工数も減らせると思うのですが、手が回らないのでしょうか?
 建材関係一般ですが、二次元線図形の断面図というのは実物を見たことのない人には非常にわかりにくいものです。説明不足が多いのですが、せめて色を付けるだけでも全然違ってきます。
 専門知識を備えた業界プロを相手にしているためかと思いますが、DIYerとしては改善を望みたいところです。建材探しでこのことを痛感しています。

軒先の納まり

けらばの納まり

 注1: アスファルトルーフィングは軒先唐草の上になるよう修正しました。
 注2: 軒天のケイカル板は鼻隠し・破風板の下端より1.5p程上に取り付けるよう修正しました。
     大工さんによると、この方がきれいに見えるそうです。
棟の納まり




● 棟換気の性能と必要数
建築基準法での規定はありませんが、住宅金融支援機構が以下を規定しています。
   天井面積の1/1600の有効開口面積が最低必要
書斎小屋の天井面積は26.5u(264992cu)なので、必要開口面積は165cuです。
コンポ換気棟の有効換気面積は200cuですので、一つで基準を満たしています。

 夏においては換気量を増やすほど小屋裏温度は低くなるので2個付けた方がより効果があると思いますが、逆に冬は寒気が通るので、結露はしにくいものの、断熱と防湿を十分にしないと寒さも増幅するようです。

 少し悩みましたが、結局コンポ換気棟を2つ付けることにしました。


(上記はコンポ換気棟のメーカー「エバー株式会社」様からいただいた情報に基いています。)

● 必要部材 (実績の詳細は「建築コスト」参照)
No. 項目 区分 機器・材料 数量 単位 備考
1 屋根張り 防水 アスファルトルーフィング(防水紙) 1mx21m 3   
2  〃  〃 タッカー用針 2000本入り 1  
3  〃 屋根材 efルーフ 本体 働き寸法1820x265o 8枚入り 13 セット 1セット余りました。
4  〃  〃 efルーフ 万能面戸共通 25x20x2000o 10本入り 2 セット  
5  〃  〃 efルーフ 軒先唐草50 3000o 6本入り 1 セット  
6  〃  〃 efルーフ 通しけらば 3000o 5本入り 1 セット  
7  〃  〃 efルーフ 棟包み(降り棟専用) 3000mm 5本入り 1 セット  
8  〃  〃 補修液 1  
9  〃  〃 胴縁材 赤松 45x18x4000o 4 受け桟用
10  〃  〃 貫材 赤松 105x18x3000 5 笠木用
11  〃 換気 コンポ換気棟(化粧スレート用) 2 1枚→2枚に変更
12  〃 固定具 ステンレススクリュー釘 1  
13  〃 工具 ツカミバシ 1 板金折り曲げ工具
14  〃 防水 シーリング材 1  
         


● 作業の実施状況
(1)アスファルトルーフィング張り (2012年06月07日)
 大工さんの屋根下地工事が終わったので、屋根仕上工事に着手しました。梅雨に入る前になんとか屋根を仕上げてしまいたい思いで、大工さんの作業には付き合わず、並行して行いました。

 とりあえず、「efルーフ設計・施工マニュアル」と首っ引きで作業を進めました。最初の作業はアスファルトルーフィング張りです。
 アスファルトルーフィングはネットで買った方が安いので事前に買っておきました。20m巻3巻で10m以上余りましたが、大工さんが引き取ってくれました。

 手持ちのタッカーは6oの針しか打てないため、大工さんが見かねて13oまで打てるタッカーを貸してくれました(使用した針は10o)。
 大工さんが屋根下地にタルキの位置を墨で引いておいてくれたので、(タルキには届きませんが)タッカーもその位置がわかるように線上に打ちました。

 右上の写真はルーフィングを張り終えて棟換気口の所を折り返した状態です。
 右下はその遠景です。夕方作業を終えるときに、ルーフィングが風でめくれないように破風板の上に胴縁材を上からビス止めして固定しています。(大工さんのアドバイスです。)







(2)けらばの加工 (2012年06月07日)
 次はガルバリウム鋼板を張るための準備です。
軒先唐草とけらばの交点、つまり屋根の角部の仕舞い方が「efルーフ設計・施工マニュアル」には書いてないのです。最も基本のポイントなのになぜ省略しているのか理解できません。せめて施工事例の写真にこの角部があれば参考にできるのですが、ネットで見れる施行例は遠景ばかり。
 そこで、販売会社に電話で問い合わせたところ、「ネットにある情報しかありません」とのこと。
 比較的詳しい人と話したところ、「けらば部は、受け桟に雨水が入らないように加工すればよい」ことを教えてくれました。
 そこで、デスクグラインダーで受け桟を納める部分の周囲をカットした後、最近ネットで購入した「ツカミバシ」で折り曲げ、何とか対策しました。



 左写真は、芝生の上に軒先唐草と、加工したけらばを置き、そこに屋根本体を二枚置いてみたところです。
 この状態で屋根に取り付ければよさそうに思ったのが間違いの始まりでした。左に置いてあるマニュアルを参照していたのですが、軒先唐草と屋根本体の取り付け方が間違っています。

 この誤りの原因は、後でわかったのですが、角はけらばが勝つ配置、つまり、軒先唐草をけらばの幅分上部をカットして、けらばが軒先まで来るようにすべきだったのです(これは間違いに気づいてから電話で確認しました)。

 私が間違った理由は、施工マニュアルには「軒先唐草の取付」をした後、「けらば受け桟とけらばの取付」をすることになっていたからです。
 「軒先唐草の取付」の項にはけらばが優先するとか、一部カットすべきということは一切書いてありませんので、軒先唐草を端から端まで加工せずに取り付けるとばかり思ってしまったのです。
 また、この間違った構造を前提にしたため、屋根本体は軒先唐草の先端に引掛けることにこのときは気づきませんでした。(これはマニュアルの図を良く見ればわかったはずでした。)



(3)破風板および鼻隠しの化粧 (2012年06月08日)
 屋根を葺く前に、破風板と鼻隠しをきれいにしておく必要があります。これらの板は荒木(表面を研磨してない木)を使っていたので、大工さんは「トタンでくるむべき」ことを強調していました。
 そこで私も一時その気になり、早朝に起きて図面を書き、必要なトタン部材を設計しました。トタンは3x6版が数枚必要で、かなりの長さをカットする必要があったのでホームセンターにカット料金を聞いたところ、1カット400円で重ねてのカットはできないとのことでした。これではコスト的に合わないし、自分でやっていたら降雨が予報されている明日までに屋ね葺きはできないことがわかり、トタンで包むのはギブアップしました。

 代わりに水性塗料(濃い茶色)を塗ることにし、7リットル缶(5480円)を買ってきました。荒木で塗料を吸収しやすいので塗りにくいでしたが、約2時間で塗り終えました。塗料は約半分使いましたが、残りは農具小屋の補修などに使えます。結果としては見栄えもなかなかのもので、これで十分でした。

2013年1月5日追記: 宅建の勉強をしていたら耐火建築の義務の問題があり、鼻隠しや破風板は耐火対策をとる必要があるのか疑問に思いました。軒裏は耐火材であるケイカル板を用いているので問題ないのですが、ネットでいろいろ調べても、鼻隠しや破風板に板金を巻くのは耐久性を上げるのが目的で耐火のためと書いてある情報を見つけることはできませんでした。
 完成検査で指摘されなかったので問題はないとは思いますが、防火のために板金を巻いたほうが良いことは確かなようです。





(4)軒先唐草の取付 (2012年06月08日)
 「efルーフ設計・施工マニュアル」に従い、まず軒先唐草を取り付けました。接続部はプロのように嵌め合い加工は行わず、後でステン釘で淀に固定し、修正塗料を塗るつもりです。



(5)取付ミス発覚&修正方法の検討 (2012年06月08日)
 次にけらばの受け桟を軒先唐草の突起部を避けて軒先から少し上にビス止めした後、加工しておいたけらばをかぶせてみました。
 その結果を下から見たら、淀の側面が覗いているではありませんか?これはおかしいと思い、販売会社に電話したところ、「けらばが勝つ」のが正しいことがわかった次第です。

 仕方がないので、対応策を考えた末、右写真のように、軒先唐草の屋根面より上にある部分をディスクグラインダーで切り取り、けらばを下にずりおろすことにしました。これで角のほうは何とかごまかせそうです。
 しかし、この時すでにけらばは棟頂までの長さに切ってしまっていたので、ずり降ろした分隙間が空いてしまいます。
 棟の頂点は棟包みでカバーできるので問題ないのですが、その下の破風板を隠す部分に切れ目が出てしまいます。この部分には余った部材を加工してごまかせば何とかなるのではないかと思います。

 このトラブルで時間を費やしたため、結局雨天までに屋根葺きを終えることはできませんでした。とはいえ、アスファルトルーフィングが貼ってあるので、雨漏りの心配はありません。

 それにしてもこのマニュアルの品質は悪いです。担当者が作りっぱなしにしたものを掲載しているのでは?ちゃんとレビューして品質を向上させるべきです。 
 私も現役時代には多くのマニュアルや説明書を書きましたが、「わかりやすさ」を旨に表現や構成に細心の注意を払ったものです。今回のミスは私の勉強不足(屋根葺き一般の知識-をもっとつけておくべきでした。今回の例ではけらば勝ちが常識?)が主因ですが、メーカーの改善も望みます。

 何とかごまかせそうなので、これもDIYの楽しみの一つとして済ませられそうです。





(6)ごまかし成功 (2012年06月10日)
 1日雨天で久々の休憩を取り、今日は午後から晴れてきたので施工ミスの対策をしました。
 軒先角部は軒先唐草とけらばの切断面を補修液で塗装し、けらば勝ちに取り付けました。これに屋根本体1枚をはめてみたのが左の写真。これで一応きれいな納まりになったようです。
(これが正解か否かは不明。正解は多分けらば側の加工がこれとは違いそう。)



 けらばを軒先側にシフトしたので、棟側はこのように開いてしまいました。
タルキとけらば受け桟の黒い汚れは、けらばのカット面を補修液で塗装した時に付いたものです。


 軒先に板を当てて開口部をふさぎました。遠目に見ればとくに違和感はなく、ごまかし成功。
 棟包みをかぶせれば、棟頂部の開口部もふさがります。

 これでようやく屋根本体の張り込みができますが日が暮れたので明日に持ち越しです。

(7)屋根板張り (2012年06月11日)
 屋根本体を取り付ける前に換気棟の水切りを取り付けます。
施工説明書では換気棟の開口部の幅は1個当たり900oですが、届いた現物は換気棟、水切りとも1200oもありました。せっかくの大きさなので開口部の幅を左右に22p拡張することにしました(換気棟は2つ購入)。
 屋根の上で電動のこで開口部を広げ、ディスクグラインダーで水切りに切れ目を入れ、ツカミバシで折り曲げ右写真のようにしました。この後、アスファルトルーフィングを水切りに合わせてカットし、周囲をシーリングしました。
 手前にヘルメットをかぶった私の影が映っています。私はカメラはファインダー式でないとだめなので、キャノンの愛用者です。



 その後屋根本体を張りました。屋根に傷をつけないために足場の屋根への上り口(写真の右奥)の反対側から施工しました。
 千鳥に張るため、両端の屋根板の長さを調整するのですが、カットはディスクグラインダーで行いました。取付は25oのコースレッドを455mm間隔にねじ込みました(野地板への取り付けでよいとのことですが、一応垂木の上にねじ込みました)。



 この日は86枚の屋根本体を使用して残り1列まで施工しました。(両端の長さ調整を行うので、端材が少し残ります。)
 暑い日照りの中の作業のため、時々休憩を入れましたが、材料の持ち上げ→はめ込み→ねじ止め→端の長さ調整の繰り返しで疲労困憊しました。
 夜中に弱雨が降る予報なので、棟には雨よけにポリエチレンの梱包材をタッカーで取り付けておきました。
 施工マニュアルにはケチをつけてしまいましたが、理解してしまえば取付は至って簡単。DIYerにはお勧めです。製品自体も十分満足できる品質のものです。



 屋根板を張った後の遠景です。色は黒を選びましたが、つや消し塗装で、なかなかの見栄えです。







(8)屋根板張り&換気棟の取付 (2012年06月12日)
 昨日の続きで、最上段の屋根板張りを行いました。この段は幅が約半分なので、屋根板をディスクグラインダーで横に切ってから取り付けます。
 施工説明書では、最上段は屋根板の上の端を上に折り曲げる加工をするようになっていますが、省略しました。これは手抜きというよりも必要性が感じられなかったからです。というのは後からぬき板を貼ってその上に棟包みをかぶせますが、ぬき板がこの折り曲げと同じ効果を持つと思われるからです。
(私が暴風雨の実態を理解していないため考えが甘い可能性はあります。)



 屋根張りが完了したので、コンポ換気棟を開口部を挟む屋根面に取り付けました。(換気棟についている両面ブチルテープで張り付けました。)

 コンポ換気棟は薄い樹脂製のようで非常に軽く、取り付けは簡単でした。
この上に笠木を載せて固定した後、棟包みを取り付けます。



 まず、換気棟の両側の棟の屋根板の上にぬき板をかぶせ、長いビスでタルキに固定します。
 施工説明書の図にはこのぬき板の下に面戸という部材を張るようになっているのですが、この作業を抜いてしまいました。面戸はメーカーの見積もりに入っていたので購入済みなのですが、農具小屋にしまったまま持ってくるのを忘れていました。
 面戸は「障子戸などの隙間風防止用にホームセンターなどで売っている、スポンジに両面テープがついたものをちょっと大きくしたようなもの」です。名称も用途もよくわからない代物でしたので、すっかり失念していました。施工説明書にも何のために付けるのかは説明していませんが、どうも水漏れ防止のようです。
 気づいたのは棟包みを取り付けた後でしたので、「面戸は省略」にしました。釘を抜いてやり直すと、部材が変形して汚くなりますし、屋根の頂上が洪水にでもならない限り浸水はないと思われますので。(考えが甘いでしょうか?)
 DIYで自己責任ということで決定します。



 次に、このぬき板の上に棟包みをかぶせ、側面からステンレスのスクリュー釘でぬき板に固定しました。
 実は施工説明書にはスクリング釘で固定とあったのですが、勝手にステンレススクリュー釘のことかなと解釈していました。あとでネットで調べたら、抜けにくい特殊な釘でした。
 まあスクリュー釘でもそう簡単には抜けないでしょうから良しとします。
(かなりいい加減になってきました。)

 


 次に換気棟の仕上げです。
両脇の棟と同様ぬき板をかぶせて長いビスでタルキに固定します。ビスはコンポ換気棟を貫通してタルキにねじ込みます。
 ぬき板(貫板)は材料としての名称ですが、コンポ換気棟の施工説明書では「笠木」と役割の名称で表現しています。



 この笠木の上に棟包みをかぶせ、側面からステンレスのスクリュー釘で笠木に固定しました。
 棟包みに段差ができますが、この境界の仕舞い方はコンポ換気棟の施工説明書を参考にしました。
 この段差の下部(棟包みの内側)には隙間ができて雨の進入がしやすくなっているため、先ほど付け忘れた面戸を貼り付け対策しました。





 これでようやく屋根が完成しました。

 ネット通販で購入したのですが、購入単位が梱包単位なので、各部材が余りました。屋根本体はカットして出た端材のほかに、1ケース(8枚入り)丸々余ってしまいました。足らなくなると大変なことになりますが、余っても処分が悩みです。とくに屋根本体はウレタンフォームが吹き付けられているため、そのままでは金属ゴミとして引き取ってもらえません。
 金を出して処分するか、ウレタンフォームをはがして金属としてタダで引き取ってもらうか悩ましいところです。





 なお、棟木が見えていたところは棟包みを左の写真のように加工して無事納まりました。
 プロが見たら「なんだあの棟の納まりは?」と疑問に思うことと思います。



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