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仏壇の収納
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● 施工の経緯と方針 |
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2010年8月29日に亡くなった母は信心深く、日ごろから先祖に対する感謝の念を抱いて仏壇にお参りをしていました。中越沖地震で被災した際、仏壇の屋根部が鴨居に引っかかって倒れず無傷だったことを非常に喜んでいました。この仏壇は10年以上前の父の法要の際に母が100万円以上出して購入したものだったからです。
そこで、地震の4か月後離れの増改築を行う際に、大工さんに、和室の床の間にあった地袋(40p位の高さの収納部)を撤去して仏壇を収容できるように依頼しました。これは、私が仏壇の外形寸法と床の間の内法を測定してできると判断したからです。
ところが、増改築完了の段になって「仏壇が入りません」という寝ぼけた話がありました。できないなら着工前にそう言ってくれれば別な方策を考えたのですが…。出来なかった原因は、地袋を外した後に壁に張った板の厚さ、および床との見切り板(幅木)の厚さが仏壇収納を考慮していなかったからです。
追加工事をするのも無駄なので、しばらくは10畳の洋間の隅に置いておいたのですが、狭い居間を圧迫するのと、洋間の雰囲気を台無しにするので、結局自分で仏壇を改造して和室の床の間に収納することにしました。
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● 施工工事 |
(1) 地震前の状況 (2001年5月3日)
写真は地震で被災前の奥座敷です。右に仏壇、左に神棚、中央に床の間があります。
床の間は地震で壁が裂け外から光が漏れるようになりました。
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(2) 離れ増改築直後の状況 (2008年1月31日)
10畳の洋間のかどに大きな仏壇が鎮座し、部屋の雰囲気を異様にしています。(6畳の和室から撮影)
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(3) 改造作業 (2010年5月1日)
仏壇は本体の下に台座、上に屋根がある3層構造になっています。和室の床の間に収納するには、本体下部と台座下部の出っ張りを2、3p削る必要があります。
この部分は手前から奥へ角材が渡してあったので、これを取り外して別の角材を内側にずらして渡すことで解決しました。追加した角材の外側には黒い塗料をスプレーで塗装して目立たなくしました。
また屋根部は設置時に気づいたのですが、右側の突起が壁に当たるため、壁面に接するようにのこぎりでカットしました。
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(4) 改造後の設置作業 (2010年5月2日)
台座を奥の床の間に入れるところです。台座の下部の幅が床の見切り材の内法にほぼぴったり納まります。
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本体を加工後、和室に移動するため2x4材を敷いているところです。2x4材の上に起こして移動することにより床面の傷を防止しました。
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屋根の右端をカットしてぴったり納まりました。天井の高さも偶然ぴったりで、特注品といっても良いくらいです。
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(5) その後の状況
仏壇のなくなった10畳の居間は余裕ができたので、ソファーベッドを追加しました。
中央は古いテーブルの表面をサンダーで磨いたのち塗料をスプレーしたもので新品同様になりました。(2010年8月6日)
右の壁にかかっている絵は母が描いた日本画「春を待つ」です。これは、10数年前に新潟県県展の奨励賞を受賞し、地方紙に本人の写真・インタビュー入りで紹介もされました。
絵の梅の木は私が子供のころは毎年梅干を作ってもらった思い出のある木ですが、10年ほど前に枯れて現在は残っていません。
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2010年8月29日に母が急逝しました。 これらの整備をしておいたおかげで、母の遺体をこの部屋から出棺し、村の人々の野辺送りを受けることができました。
また、四十九日の法要も写真のようなきれいな仏壇の下で行うことができました。(2010年10月16日)
全くの偶然ですが、これらすべての作業を母の死に間に合うように行うことができ、何か因縁めいたものを感じます。
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