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物置小屋の建築
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● 当初の設計案 |
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中越沖地震(2007年7月)で木小屋が全壊した後、中に入っていた木材のうち、冬囲いなどに使えるものは残してありましたが、置き場所がないため塀のわきに積んでブルーシートで覆って保管してありました。2009年に、母が見かねてシルバー人材センターに小屋作りを依頼しようとしていましたが、それを止めて私が作らせてもらうことにしました。
当時は首都圏に勤務中でしたので、夏休みと秋の休みを利用して作ることとし、まず設計を進めました。設計ツールとしては、プレゼンツールのPowerPointを使用しました。趣味の日曜大工をするときに斜視図を書くのに慣れていたからです。
家作りの知識はほとんどありませんでしたが、春休みにサンルーム内にウッドデッキを作った経験をもとに作ることにしました。つまり、束石の上に柱を立て、その周囲に2x4材をビス止めして構造体を作り、それに合板を張る方針にしました。
下図はこの方針に基づいてPowerPointで書いた図です。各部品の斜視図を作成してそれをコピーして前面・背面を考慮して貼り付けていくと意外に簡単に書くことができます。
これをベースに、部品図もPowerPointで書きました。
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注: 実際に作った小屋では、左の物置の幅を0.5間増やしました。
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● 設計案の修正 |
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上記の案で作業に着手すべく、夏休みに帰省して車で10分ほどのホームセンターに部材の調達に出かけました。設計に不安もあったことから、店員に図面を見てもらったところ、たまたまその人が大工業を引退した人だったので、2x4工法で作った方が簡単ではないかとのアドバイスをくれました。手書きで概略の図まで書いてくれました。
そこで、そのまま帰って設計をやり直しました。設計図は手書きで修正したため現状残っていませんが、左の物置を0.5間広げ、合板と同じ幅(910o)のパネルを2x4材で合計13枚(前面4枚、背面7枚、側面2枚)作り、それをビス止めして作ることにしました。前面のドアは薄い合板を貼って手作りとし、基礎も束石ではなく、コンクリートブロックを使うことにしました。
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● 建築工事 |
(1)作業台作成 (2009年8月2日)
作業を開始するに当たり、作業場所を確保するために作業台を作りました。 右は上面に2x4材を張る前の状態です。
作業台を作る場所として他に適当なところがなかったので玄関ポーチを使いました。玄関ポーチは平面度がよく出ているので作業性はよいです。
反省点としてこの作業台は材料が過剰でした。足はウッドデッキの余りを使ったのですが2x4材で十分でしたし、側面と天板として貼った2x4材は1x4材でも十分でした。この作りでは重くて持ち運びが大変です。
その後の作業の多くは、玄関の右側の地面に旧母屋を解体した時にとっておいた家の柱を敷いて行いました。(この場所には作業環境整備のため2011年にDIYでコンクリートを敷きました。)
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(2)基礎工事 (2009年8月3-4日)
北庭にある柿の木の奥に幅3.5間(6.37m)、奥行き0.5間(0.91m)の細長い小屋を作ることを決定し、基礎工事を行いました。
上: 壁パネル(0.5間幅)の両下端をアンカーボルトで固定できるように、コンクリートブロックの位置を決め、それぞれの位置に15p程の深さの穴を掘りました。そこに砕石を敷き、柱で突き固め、水糸に沿ってコンクリートブロックを配置して固定しました。
初めての経験でしたので、高さを合わせて水平を出すのにかなり時間がかかりました。
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コンクリートブロックにモルタルでアンカーボルトを固定しました。 その後、小屋の内側に砂を敷いて周辺より少し高くし、内部に雨水が流れ込まないようにしました。
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2x4材に穴をあけ、土台として設置しました。 この土台は小屋の底面を水平にするのと、パネル同士の緊結を確保するためのものです。 このころは知識が乏しかったので、ベースコンクリートを敷いてそれにコンクリートブロックを固着するとか、密に並べるという発想はありませんでした。 コンクリートブロックは地面に置いて自重と周辺の土との摩擦で固定してあるだけですので、完成後、台風で倒れるのではないかと心配しましたが、杞憂に終わりました。中に多くの木材が収納されており、小屋全体の重量が結構あるのと、周りの木が風防の役割をしてくれているようです。
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(3) パネル作成 (2009年8月5-6日)
前面の壁として使うパネルを作っています。
サイズは合板のサイズ(910x1820mm)と同じです。2x4材で外枠を作り、内側に桟(さん)を3本入れ、それに合板を貼ります。すべてドライバードリルでビス止めです。
このころは2x4施工用の釘があることも知りませんでしたが、ビス止めのほうが少ない本数で頑丈に止められるのではないかと思います。
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側壁のパネルを作っているところです。 背面の壁は前面の壁よりも10p低いだけの緩やかな傾斜にし、側壁の上部の三角部は開口して換気できるようにしました。(実は面倒くさいから) 写真でクランプで押さえている木枠は、壁のサイズや直角度を正確に出すための、組み立て用の基準として作ったものです。 |
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(4) パネル組み上げ (2009年8月6日)
まず左側面のパネルを取り付け、垂直に保つために棒材で仮固定しました。その後隣のパネルから順次土台に取付け、アンカーボルトを固定しました。
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壁の取り付けがほぼ終わっています。 手前にあるのは前面の開口枠とその隣のパネルです。アンカー取付位置を正確にするため、土台の2x4材を外してクランプで固定し、アンカー取付穴をあけているところです。 小屋の右側は木材置き場にしますが、3m以上の長い竹棒や木材を出し入れするために開口部を1間幅とし、両開き戸をとりつけます。この強度を確保するため、開口部にも横の桟を入れました。
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パネルの取り付けが終わった時点の内部の写真です。
傾かないように上端を仮止めしていますが、この後長い2x4材をパネルの上枠上にビス止めして緊結します。(土台と同様)
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(5)内部工事 (2009年8月7-8日)
8月7日は大雨のため、隣家の駐車場を借りて部材の切断などを行いました。夏休みは9日までで最終日は首都圏に帰るため、とにかく雨仕舞までの作業を急ぎます。
木材置き場と物置場の境にたすき掛けの筋交いをつけたところ、小屋をゆすってもびくともしないようになりました。筋交いの端はビス止めですが小さい小屋なので十分でした。この仕切り部には後で合板を貼ります。
その後、屋根にトタンの波板を貼りました。
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夏休みで息子夫婦が立ち寄りました。小屋の入り口にはブロックの上に板を置いてあるだけなので、180p超の息子でも中に入れます。 手前はいろいろ手伝ってくれた叔父です。物作りの知識とスキルはプロ並みで色々アドバイスをしてもらいました。
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ドアは5p程の角材で枠を作り、それに6o厚の耐水合板をボンドとビスで貼って作りました。これは叔父が全面的にサポートしてくれました。写真は蝶番取付部の加工をしているところです。 夏休みの作業はここまでで打ち切り、翌日(渋滞回避のため)早朝に首都圏に帰りました。
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(6)仕上工事 (2009年9月19-22日)
秋の休みを利用して工事再開です。
まず、壁に波板のトタンを貼りました。
写真は、壁の上部に取り付けておいた見切り用の角材の下に波板を取り付けているところです。
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小屋の内部を2段の収納棚にするため、2x4材を根太として45p間隔で取り付けました。 壁の高さが182pしかないので入口部は地面の上に板を敷きます。
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左側の物置は入口に立って、前方と左右に棚を作る形にしました。 こちらも入口部は地面の上に板を敷くだけです。
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物置部の完成状態です。 収納容量を増やすため、棚も作りました。
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木材置き場の完成状態です。 強度を確保するために入り口面に横桟が入っており、中に入るにはくぐって入ります。 左の棚には棒材や角材を、右側のスペースには杭など180p以下の角材を立てかけて収納します。
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完成直後の外観です。
左右のドアには防腐剤を塗りました。
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(7)その後の状態 (2011年11月30日撮影)
完成後2年経過しましたが、当初の目的を十分に果たしています。
物置部の外観です。
その後いろいろな道具を買いそろえ、ゴルフバッグもおいているため、ほぼ満杯状態です。
下部のリール式電源コードのわきにあるのは角のみです。オークションで買ったもので、書斎小屋を作るのに備え、ほぞ掘り用として用意したものです。その後、家の躯体部の加工は材木屋にプレカットを依頼するのが主流であることがわかりましたのでほとんど使わないと思います。
ただし、家のサンルームの雪囲いを作る時に穴あけとして活用できました。
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木材置き場の外観です。 庭木の冬囲いに大半の木材が出払った状態です。 出し入れの作業をしやすくするために、当初入口にあった横の桟木をカットして開口部を設けました。
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完成2年後の全体の外観です。 2011年春に、小屋の前に芝生を貼りました。芝がないときは靴が土で汚れ、作業場所も土だらけになりやすかったのですが、芝張り後はきれいに作業できるようになりました。 また、防腐剤を塗りなおしたので、ドアの色が濃くなっています。 コメント: 正確な情報は残っていませんが、製作費は10万円を少し超えた程度かかったように記憶しています。 この小屋の建築を通じてパネル構造(2x4)の頑丈さを実感しました。
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(8)その後の状態2 (2014年5月19日撮影)
完成後5年近く経過しましたが、左側内部の乱雑さが目につくようになり、作業効率にも支障をきたすようになったので、整理をすることにしました。
写真は内部のものをいったん全部外に出したのち、再整理した状態です。
この際、正面奥最上段に棚を一つ追加しました。
正面の下段にはほとんど使ってない角のみ(ほぞ穴をあける機械)とよく使用する20m長のコードリール(電源延長ケーブル)が置いてあります。
以下に各領域の整理状態(工具内訳)を示します。
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【正面の上段】 棚が3つあり、以下の工具があります。
上段(右から左): 接着剤、サンドペーパー類、レンチセット、防護メガネなど
中段(右から左): 石膏ボード用のこぎり、スプレーペンキ、パテ類、タッカー、カッター、ペン類、剪定ばさみ、巻尺、潤滑オイル、ボンドなど
下段(右から左): クランプ、つかみ箸(とたん折り曲げ用)、かんな、金づち、キリ、のみ、曲り尺、水平器、ドライバ、結束線とハッカー、レンチ類、鉄筋ベンダー、ペンチなど
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【左側上段】
奥(左から): 書斎小屋で使い残した釘やビス箱入り多数、ひも類、各種テープ、水糸
手前: 水糸、植木バリカン、チェーンソー、CRE550(ネジのさび取り液)、下げ振り、腰袋、延長コード、針金、ヘルメット、ビニールパイプなど
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【左側下段】
奥: バーベキュー用鉄板
手前左: 書斎小屋で使い残した電材品(箱の中)、電気工事士用工具、工具収納バッグ
手前右: 食器類(処分予定)
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【右側上段】
上(左から): 排水用電動ポンプ、ジグソー、電動ドライバーのケースと工具箱、のこぎり各種、釣り具セット(箱に収納)
下(左から): ペンキ、防腐剤、ふで、サンダー、手袋、電動ドリル、ディスクグラインダー、トリマ、電動のこぎり、電動ドライバ、安全帯
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【右側下段】
奥: トロ船大小、バーベキュー用木炭、衣装ケース
手前: 穴あけ器、エアレーター(芝に空気穴をあける道具)など |
(9)その後の状態3
2017年4月17日に再整理しました。 → 別ページへ
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