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墓の蜂の巣除去
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● 概要
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我が家の墓は実家(現在は別荘)から歩いて2,3分の村の墓地にあります。私が8代目なので2,3百年の歴史があると思います。
この墓地は村の神社と、境内をはさんで隣接しています(写真1)。私が子供のころは50戸ほどの村で、ほとんどの家がこの墓地(写真2)に墓を持っていました。私が大学進学で上京した後、村の北の田園地帯が宅地開発され、村(現在は町)全体で200戸ほどに増えています。新たな住民のために、数年前、町内会が隣接する田を埋め立てて墓地を造成し分譲しています。毎年少しづつ増えていますが、2015年現在でまだ数基といったところです。
我が家の墓は、父が祖父母がなくなった後新しく作り直したと記憶しています。しかしすでに40年ほど経ち、かなり劣化してきています。特に2007年7月の中越沖地震の被害が大きく、墓の地盤周囲の長石がずれて隙間ができたり、境界の立石を結ぶ鉄棒が2本外れたり、地盤のコンクリートがひび割れたりしています。
この墓には、父が作った時に植えた松が墓のシンボルとして長い間威容を誇ってきました。
しかし10数年前から松くい虫などの被害(詳細不明)にあい、母が業者に頼んで防除対策をしていました。これもむなしく、幹の中に空洞ができ、12年以上前にコンクリートで穴を埋める対策をしました。しかし、その後も穴が広がり、松の緑が年々減少し、2,3年前にまさに完全に枯れ木の状態になりました。
3年前から幹の空洞内にミツバチが巣を作るようになり、墓参りも落ち着いてできない状態になりましたので今年(2015年)対策を行いました。以下にその記録を示します。
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●松の木のある全景
左下は2015年夏に南側から撮影した墓の全景で、松の木全体を含む最後の姿です。
幹の下側半分くらいに割れ目のような長い穴があり、12年以上前に母が業者に頼んでコンクリートでふさいでもらいました。しかし、時の経過とともにコンクリートと幹との間に隙間ができ、蜂が中の空洞に出入りするようになりました。
右下は松の木が元気なころの写真です。2003年には幹にコンクリートが埋められています。
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2015年8月 南から撮影

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2003年11月24日 南から撮影

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2007年8月16日 東から撮影

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●パテによる蜂の巣封鎖作戦 2015年7月4日〜7月19日
2013年に幹内の空洞にミツバチが巣を作ったのに気付き、その夏の夜中に防蜂スプレーを噴霧して駆除を試みましたが失敗、2014年も同じでした。
2015年も春から蜂が活動していましたが、代替わりか、別種に変わったのか、前年の蜂よりも小型のミツバチのように見受けられました。ことしこそ何とか駆除しようと思い、蜂が出入りする穴をパテで埋めて封鎖する作戦をとることにしました。書斎小屋を作るときに石膏ボードのビスの頭を隠すために使ったパテが袋の半分くらい残っていたからです。
観察していると出入りする穴は1,2か所に限られていたので、そこを局所的に封鎖すればよいのではないかと思い、一握り分くらいのパテを水で練って手で穴を埋めました。ミツバチはあまり攻撃的ではなく、パテを素早く塗り込めば刺されることはありませんでした(長袖服に手袋をつけてはいましたが)。
ミツバチは埋めた直後は穴のあった近辺を飛び回ったり徘徊するのですが、2,3日後に行ってみると別の穴を見つけて出入りしているのです。
この、パテ封鎖・出入り口移動のいたちごっこを半月にわたり6回くりかえしましたが、パテがなくなったのでこの戦略はあきらめました。
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7月4日 最初のパテ封鎖 |
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7月8日 2回目のパテ封鎖 |
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7月19日 6回目のパテ封鎖 |
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結局、下の写真に示すように下から上へと移動し、6回対策する羽目に。
お盆までに蜂が近づかないようにする目標はあえなくついえました。 |
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8月12日 その結果、今年もお墓参りは墓の外からナムナム! 3年連続です。 |
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●スズメバチの駆除 9月12日〜9月22日
パテによる対策が不調に終わったので、蜂の活動が穏やかになる秋以降に対策することとし、叔父にも協力を要請していました(叔父は早く松を切らせたくて業者に調べさせたりもしていました。トップの全景写真は業者が調査のために撮影・印刷したものをスキャンして入力した画像です。)
9月に入ってから、墓の西に隣接するシイタケ栽培場(トップの写真の左に見える小屋)にいた近所の人から我が家の墓の松の木から大型のスズメバチが飛んでくるという連絡がありました。
早速調べたところ、いつの間にかスズメバチがミツバチの巣を乗っ取っていました。数はそれほど多くないのですが、ミツバチの数倍の大きさのいかにも獰猛な感じのスズメバチがパテで対策した範囲の上と下から出入りしていました。離れて観察していると、時々神社のわきの大木との間を往復しているので、そこにある巣から分家して新たに巣を作り始めているようでした。
そこで急きょ対策するため、9月12日の夜叔父と一緒に墓に行き、埋め込んであったコンクリートやパテをバリで一部はがして開口部を広げ、防蜂スプレーをより深く噴霧しました。
これはかなり効果がありましたが、翌朝行ってみるとまだ1,2匹のスズメバチが来ていました。そこで、ブルーシートで開口部をふさぐように幹に巻き付け、ロープでぐるぐる巻きにしました。
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9月12日 スズメバチは恐ろしいので、ホームセンターで買ってきた紙製のつなぎ(激安280円)と防虫ネット(500円)で完全防備。バリでコンクリートをはがし、防蜂スプレーを空洞内に噴霧。 |
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9月13日 翌朝の状態。
コンクリートは幹に食い込んで一部しかはがせませんでしたが、ほぼ全滅したようでした。しかし、時々1,2匹が近づいていました。 |
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9月13日 昨夜防蜂スプレーを吹き込んだ穴です。
コンクリートが邪魔で奥のほうまでは見えません。 |
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9月13日 スズメバチが生き残っているので、復活を防ぐためにブルーシートで覆いました。 |
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9月14日 木の幹は空洞で手で押すと揺れるほどなので、冬の強風で倒れるのではないかと危惧。 |
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9月14日 そこで充電式のチェーンソー(柄の長さ2m)で枝を全部切ってしまいました。 |
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9月16日 根元の隙間からまだスズメバチが出入りしているので、ブルーシートをもう1枚追加して補強。 |
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9月22日 ブルーシートの下端からまだ出入りしているので、根元を砂で埋めて踏み固めました。 |
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左の対策でスズメバチの出入りはなくなりましたが、中に数匹閉じ込められたハチがおり、木の幹をたたいて刺激すると中でブンブン飛び回っている音が聞こえました。
1週間ほど後に見に行ったら1匹が幹の表面とブルーシートの間でごそごそ動いていたので木づちでたたいてつぶしました。
もう1匹中にいたようですが、その後1週間ほど経ったら反応がなくなりました。
とりあえず撲滅成功です。 |
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●11月4日 松の幹伐採
10月に3週間埼玉の自宅に戻りましたが、英気を養ったこともあり、年内に松の幹も切ってしまおうと決意しました。
別荘に帰って伸びた草や芝を刈った後、11月4日に天気の良いのを確認してから松の伐採を行いました。。
道具は枝切りに使った充電式チェーンソー(直径15pまで)では力不足なので、電動式のチェーンソーを使います。そのために神社の屋外コンセントから墓まで40m電源ケーブルを引く必要があります。
そこでまず、町内会長に頼んで神社のブレーカーを入れてもらいました。
脚立や道具などをそろえて実際の切断作業に着手したのは11時半過ぎでした。
こんな太い木を切るのは初めてなのと、切った幹が墓に落下して損傷させないようにするために、慎重な作業を心がけました。すべて一人で作業したので、終わったのは5時頃でかなり暗くなっていました。
幹を切ってみると幹の中心に、てっぺん近くから根元まで大きな空洞が貫通していました。なぜこんな大きな穴があくのか? 松くい虫おそるべし?
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12時16分 3.6mの脚立にのぼって幹の上部北側から切れ目を入れます。 |
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12時49分 脚立を移動して南側に小さな切れ目を入れます。
北側と南側を数回切り込んでぐらつくほどにします。 |
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13時25分 木の頂部に縄をかけ、南側から引っ張って落としたところ、灯ろうの笠に当たって落ちてしまいました。笠は右奥から移動後の状態。 |
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13時25分 頂部の第1ブロックにも大きな穴が開いています。
このあと昼食休みをとりました。 |
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14時41分 第2ブロック切断後。低い位置なのでだいぶ楽でした。 |
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15時12分 第3ブロックまで切断完了。 |
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15時12分 残った幹の状態。ここまで来れば後は楽勝です。 |
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内部を見ると蜂の巣(蜜)がごっそり。 |
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15時47分 第4ブロック切断完了。いすに座って作業。穴が大きいので太い割には楽でした。 |
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15時47分 根元の空洞には上から落ちた蜂の巣と蜜が。 |
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16時33分 根元部分も切ってバラバラに。(腐りかけており縦に割れました) |
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暗くなってきたので清掃は翌日に行うこととし、神社のブレーカーの切断と扉の施錠を行い、鍵を町内会長に戻しました。
その後道具と脚立を家に戻して作業終了。
蜂蜜を買い物袋半分くらい回収して持ち帰り、蜜を抽出する方法をネットで調べたりしましたが、防蜂スプレーをかけたり、木の皮や切粉などで汚れていたので、残念ながら全部ごみとして処分しました。
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11月5日 切ったブロックをひとつづつ墓から別荘に移動。右から2つ目のブロックは重くて車に乗せられなかったため、荷台を外した一輪車に載せて運搬しました。
不思議なことに、元の巣の主のミツバチが数10匹残った蜜に寄ってきましたが、水道水のジェット水流をかけて洗い流したら去っていきました。 |
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11月5日 松の根元の後片付けが終わった状態。細かい木の切りくずやコンクリートブロックは袋に詰めて後日処分。
墓の地盤は来春改良作業を行う予定。 |
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●11月11日 松の木伐採後の墓全景
我が家の墓のシンボルとして威容を誇っていた松の木がなくなり寂しい限りです。いままでは遠くから見ても我が家の墓がすぐわかったのですが、今は周りの新しく立派な墓に囲まれて完全に埋没してしまいました。
なお、11月7日に石の接着剤で灯ろうの笠の接着と、以前枝切りの時割れた柵の立石の補修を行い、蜂の巣対策を完了しました。
墓の地盤改良は来春に行い、雑草が生えない対策を行う予定です。
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墓の地盤改良
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